からだの音について

「転びやすい子が増えている…」
「たわいないことで骨折してしまう子が増えている…」

学校や病院の先生たちから、最近、こうした話をよく聞くようになりました。

気がつけば、こどもたちはゲームや塾に多くの時間を費やし、自然の中で駆け回る時間が少なくなっています。
かつて野山での遊びが鍛えてくれていた体力、敏捷性、瞬発力、判断力……。
これらの育つ場が、今、失われているのです。

「こどもたちの体がおかしくなっている」

なんとかしなければいけない――。 私自身、母親になったことで、ますます強い思いがこみ上げてきました。
危機感から始めたのが、『からだづくり教室』です。

理学療法士が中心となり、体の根っこの力を鍛えなおそうという小さな教室。
参加したこどもたちは、「姿勢がよくなった」「体の軸がしっかりして転びにくくなった」「ケガしにくくなった」、さらに「日常生活でのやる気が出てきた」…など、大きな成果が出始めました。

『からだづくり教室』は、『からだチェック』にも発展していきました。
姿勢や骨、関節、筋肉などをチェックして、健康的に発達しているかをみて、アドバイスします。
こどものからだは発達途上にあるので、大人のからだとは違うのです。

こどもたちを元気に育てるために、ママパパ世代、祖父祖母世代も、まだまだがんばらないといけません。
ますます健康でいなくてはいけません。
常識にとらわれず、勉強していくことも必要です。
そこで、大人向けの体操や講演会、イベントなども企画するようになりました。

『からだの音』は、すべての人が“からだの音”に耳を澄ませて、自分のからだ、みんなのからだを大事にしていこう! との思いから命名しました。

すー。はー。どき。ぽき。ぐぅ。こき。ぶっ。ぷう……。

息の音、心臓の音、骨の音、おなかの音、おならの音……。
60兆個の細胞のひとつひとつが振動し、生命の音楽を奏でています。

みなさんのからだの音が壮大なハーモニーとなって、未来に向かって響きわたりますように――。 みなさんといっしょに、みなさんの力をお借りしながら、からだの音を鳴らしていきたいと思います。

一般社団法人 からだの音
代表 浜脇澄伊 (りさちゃんのママ)