お口は元気の入り口!元気なお口で元気なからだを作りましょう!

人間は、実は歩くより先に口で食べることを覚えます。そして、逆に人生の一番最期まで残る機能は「食べる機能」とも言われています。さらにバランスの取れた食事を摂ることで、体力や免疫力がつき、今回のテーマでもある誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)にもなりにくくなります。 このように生活する中で食べることは、非常に大切です。いつまでも楽しく美味しく食事をするための簡単な運動やポイントをご紹介していきます。

まず、体の玄関口の「口」の体操です。口の動きが悪いといくら美味しいものを食べてもしっかり噛んで食べ物を飲み込むことはできません。口の体操で顎(あご)や頬、舌をしっかり動かしていきましょう。

今回ご紹介する運動は、「パタカラ体操」「あいうべ体操」です。

「パ・タ・カ・ラ体操」は主に、唇を閉じて食べこぼさず、食べ物を口の中へ「運び」・「押しつぶし」・「飲み込み」、最後に「胃へ送る」という、食べることをスムーズに行なう手助けをする体操です(図1)。

ポイントは、一音一音しっかり声を出して行うことです。そうする事で、筋肉に刺激が入りより動かしやすくなり、スムーズな口の動きを高めます。

「あいうべ体操」は口の周りを中心とした顔の筋肉と舌の筋肉の働きを高めるための体操です(図2)。顔の筋肉をしっかり使うことで、しわの予防になり、美しい表情の維持にもつながるでしょう。これらの運動は、時間の空いている時などに行ってもいいのです。食事の前に行うとより効果的です。

次に、食べるために非常に重要な唾液について説明しましょう。唾液は、1日に約1~1.5ℓが口の中に出ます。唾液の働きは「食べ物の飲み込みを助ける」・「味覚を感じやすくする」・「歯を強くする」・「菌を体に取り込まないようにする」など、非常に多くの働きを持っています。唾液は、主に3つの袋から出ていて、その袋のマッサージを紹介します(図3)。

マッサージのポイントは、図の矢印の方向にさするくらいの力で優しくゆっくり行っていきましょう。はじめに紹介したパタカラ体操やあいうべ体操も、唾液を出やすくする効果があります。合わせて行ってみてください。食事以外でも唾液が出ると、口が潤い声もよく出せるので会話も弾みやすくなるかもしれません。

ここまでで「口」の準備はばっちりです。しかし、食べ物が通る道が曲がっていては、体に力が入ってしまうなど、うまく食べることが難しくなります。そこで大切な姿勢についてもご紹介しょう。ポイントは①足の裏が地面につく②背筋が曲がっていない③深く座る④体がリラックスしていることです。これらのポイントに注意することでよりむせの少ない飲み込みが可能になります(図4)。

これらの運動・ポイントをしっかり行って、いつまでも美味しく食事を摂り、楽しく元気な生活を送りましょう!

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