意外と知らない口腔ケアの重要性

口腔をきれいに保つことは、虫歯の予防だけではありません。
風邪や肺炎の予防にもなるのです!!

口は重要な免疫器官のひとつだということをご存知ですか?
口の役割には大きく3つあります。
①咀嚼する(あごと歯の運動)消化を助ける
・脳や神経系を活性化する
②味を感じる(舌の運動)
・食べる楽しみをもたらす
・食べ物の危険を察知する③身体を守る・免疫(唾液のはたらき)
・病原菌などと戦う
・自浄作用

これらは誰もが知っていることだと思いますが、何もしないでケアを怠ると口腔領域にも機能低下を引き起こす「廃用症候群」があるのです。口腔領域の廃用症候群の症状は、感覚・味覚の低下、顔面表情筋の萎縮、咀嚼・嚥下関連筋(舌を含む)の萎縮、顎骨の萎縮、唾液腺の萎縮(分泌低下)、顎関節の拘縮(開口制限)などがあげられます。
ケアをすることは口腔をきれいにするだけでなく、絶好の刺激にもなるのです。

口腔ケアって歯みがきしたらそれでいいの??

口腔ケアには、歯、舌、粘膜、義歯など器質面に対するケアと、それらを使って食べたり、話したりする機能を維持・回復するための機能面に対するケアの2つあります。口腔ケアの基本は、歯みがき・洗口(洗浄)・粘膜ケア+保温の3つです。口から食べられない時は特に保温が大切です。

歯垢の菌は糞便と同じレベル!!
デンタルプラークの菌濃度は、
歯垢:1gあたり100億~1000億の菌関連画像
唾液:1ml(=1g)あたり1億~10億
直腸:1gあたり100億~1000億の菌
何と、歯垢と糞便中の菌の量と同じレベル!!常に口腔内をケアをすることは、機能の維持・回復に効果があるだけでなく、風邪や肺炎の予防にも直結します。特に高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防には、口腔ケアで口腔内の菌濃度を減少させる必要があるのです。

誤嚥性肺炎は夜に作られる!!
口腔内の細菌は食後に増えるため、夕食後から就寝中が1日の中で最も増殖します。寝る前にケアするのは大前提ですが、就寝中に作られた細菌を除去するためにも朝起きたら食事の前にもケアをして、細菌を体の中に送り込むことを予防しましょう。

◎朝起きたら水や洗浄剤などでうがいやはみがきをしましょう。
◎口腔ケアで唾液の分泌量を増やして自浄作用を活性化しましょう。
◎自分でケアを行えない場合は、ケアスポンジなどで口腔内をマッサージして口腔機能の回復に努めましょう。
◎歯ブラシだけでなくケアスポンジや舌ブラシ、歯間ブラシやフロスなどで定期的な口腔ケアで感染予防に努めましょう。

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