
骨粗鬆症と運動 〜骨を強くする、転びにくい体をつくる〜
最近、背中が曲がってきた。身長が以前より低くなった。腰が痛い。
こんな症状はありませんか?これは骨粗鬆症による「いつの間にか骨折」が疑われる症状です。
骨粗鬆症の治療の目的は、骨折を防止することです。その骨粗鬆症を予防するには、運動により「骨を強くする」「転びにくい体をつくる」ことが大切です。
「運動」が骨密度を高める
運動をすることで、骨に適度な負荷(刺激)がかかると、骨をつくる細胞が活性化し骨は強くなる性質があります。さらに、体を動かすことで骨の血流がよくなるため、骨がつくられやすくなり骨密度を高めることができます。
日本骨粗鬆症学会の予防・治療のガイドライン2015では、①骨密度を上昇させるための有酸素荷重運動・筋力訓練②椎体骨折を予防するための背筋強化訓練③転倒を予防するための筋力訓練・バランス訓練、を推奨しています。
まずは歩くことから
重力のかかるウォーキング、ジョギング、筋力トレーニングなどのような全身運動で繰り返す動作が多いものほど骨密度を高めます。
ウォーキングは手軽な運動です。正しい姿勢で歩きましょう。
- 前方を見て
- 踵からつく
- なるべく歩幅を大きく
- しっかり手を振って
週2~3回 1日20~30分(初めは10分以内とし少しずつ体力に応じて行いましょう)
予防のための体操
- 背筋訓練:姿勢を維持、いつの間にか骨折を予防
座位でペットボトル上げ 5秒間×10回 1日1~3回
-
- 開眼片足立ち:バランスを高める運動、足の付け根の骨を強くする
- 開眼片足立ち:バランスを高める運動、足の付け根の骨を強くする
両手を腰に当て片足を床から5~10㎝上げる
左右1分間ずつ 1日1~3回
*支えが必要な場合は机や壁に手をついて行いましょう
※骨粗鬆症の治療中の人、その他骨折や腰・膝などに痛みがある人は、運動を開始する前に医師に相談してください。
日常動作も運動のひとつ
階段、掃除、洗濯、布団の上げ下ろし、買い物などは、骨に適度な負荷を与える立派な運動です。生活の中で運動量を増やすことが骨粗鬆症の日常動作予防につながります。
また、転倒しないように環境を整えることも大切です。ふらつく時は杖を使用する、滑りにくい靴を履くなど転倒しないよう気を付けましょう。
運動はご自分の体調や体力に応じて少しずつ行いましょう。コツコツと運動を継続して骨粗鬆症を予防しましょう。