食材選びの新マニュアル 〜油〜

油はダイエットの敵と敬遠されていますが、ホルモンや細胞膜の材料で、美と健康に欠かせない大切な食品です。油の分類や最近話題の油などをお話しします。油を選ぶときの参考にしてください。

オメガ3とオメガ6は体内で合成できない必須脂肪酸で、食品から摂る必要があります。

オメガ3とオメガ6の摂取比率は1:4が望ましいとされていますが、食生活の欧米化によりオメガ3の摂取量が減り、オメガ6の摂取量が増え、現代人の摂取バランスは崩れています。オメガ3の摂取量を増やし、オメガ6の摂取量を減らす工夫が必要です。

魚中心の食生活に変更したり、亜麻仁油やえごま油を取り入れたりしましょう。それが難しい人は、サプリメントで補うのもよいでしょう。

話題の油

「亜麻(あま)仁(に)油」 

亜麻という植物の種から抽出した油で、熱に弱いため加熱調理には不向きです。サラダのドレッシングにしたり、納豆に混ぜたり、パンに塗ったりするなど、加熱しない料理に使うようにしましょう。熱や光に弱いため、冷蔵庫で保存して早目に使い切りましょう。摂取量は1日小さじ1杯が目安です。

動脈硬化予防、肥満の改善、ストレスの軽減、アレルギーの抑制などに効果があります。

「えごま油(しそ油)」

しそ科の植物の種から抽出した油で、亜麻仁油と同じ効果があります。

亜麻仁油に比べると、香りにくせもなく受け入れやすいのが特徴です。熱に弱いため加熱調理には不向きで、サラダのドレッシングや、でき上がった料理にかけて食べるのがおすすめです。

摂取量は1日小さじ1杯が目安です。

「ココナッツオイル」 

ココナッツオイルは飽和脂肪酸の中でも消化吸収が速く、速やかに分解されてエネルギーとなるため、ダイエットや美容などの効果で注目されています。

コーヒーや紅茶に入れる、パンに塗る、ドレッシングに入れるなどして使うとよいでしょう。摂取量は1日小さじ1杯が目安です。

「トランス脂肪酸」

植物性油脂に水素添加して固形化させた油で、食べるプラスチックと呼ばれており、マーガリンやショートニング、ビスケット、スナック菓子、アイスクリームなど多くの食品に含まれています。摂りすぎると動脈硬化や心臓疾患、肥満、アレルギー等を発症する危険性を高めるため注意が必要です。アメリカでは2018年までにトランス脂肪酸撤廃が決定しましたが、日本では規制や含有量の表示義務はないのが現状です。

 

全ての油には1gあたり9kcalのエネルギーがあるので、どんな油も摂りすぎは肥満や生活習慣病の原因となります。バランスのよい食生活を心がけ、油は種類を意識して適量を摂取するようにしましょう。

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